カレーの作り方こんな感じ

私たち京大カレー部はいままで数多のメニューを世に送り出してきました。

 

その中から、誰でも簡単に作れて、再現性の高いレシピが持っていた共通点を

皆様と共有していこうと思います。

 

 

ブログを通じて、私たちがどのようにカレーと向き合っているのか感じていただければ幸いです。


カレーの半分はコメ

レシピを紹介するにあたり

再現性も高くしたい、

カレー部の活動を通じて乗り越えてきたことを共有したい、

と思いこのブログがスタートしました。

 

いざ、レシピ通りにカレーを作ろうとすると

思いもよらなかった大きな壁に突き当たります。

 

それが、コメです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(教室で炊かれるご飯)

 

日本のコメは甘味や風味、粘りがあるため

見よう見まねでつくった本格インド風チキンカレーとマッチしないことを

私たちは何度も経験しました。

 

しかし、京大カレー部としては

カレーはほかほかのご飯の上にかかっていてほしい

 

 

出店の度に試行錯誤を重ね、

私たちは、ご飯にしっかり合う

本格インド風なカレーのコツを

いくつか発見しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(スパイスで炊きこまれたご飯)

これから数回にわたり

コメに合うカレーのレシピの考え方を共有していきたいと思います。

 

 

キーワードは

スープとボディです。

 

 

 

次回に続きます。


あくまでも

前回は本格インドカレーを作ろうとすると、

甘くて粘りのある日本の米と

うまくなじまないことがあるという問題についてお話ししました。

 

今回より、コメに合いやすいカレーのレシピの考え方を共有したいと思います。

 

その考え方は、

あくまでも再現性が高く、簡単に調理できる

という軸でレシピを考えていく際に役立つもので、

決してカレー全般に通じるようなものではありません。

 

「そういう見方もある」

くらいに思っておいていただければ幸いです。


スープとボディ

次の二つの要素を持つカレーは

だいたいコメに合うというのがカレー部の見解です。

 

・スープ

・ボディ

 

ここでいうスープは文字通り食材を煮込む際に生じるスープです。

チキンカレーなら鶏肉の、ビーフカレーなら牛肉のという風に考えてください。

ベジタブルカレーに関しては別のところで紹介します。

 

ボディとは、言葉があいまいなのですが、

コクを生み、他の食材の風味を高めるものと考えてください。

例えば、牛乳、ヨーグルト、豆乳、ココナッツミルクなどです。

他にはひよこ豆やかぼちゃ、ジャガイモ、サツマイモなどがそれにあたります。

 

これらがカレーの土台をしっかりさせ、

その上に様々なうまみが乗っていくと感覚的にとらえているのでボディと呼ぶことにします。

 

つまり、一般的なチキンカレーのレシピなら

豆乳やココナッツミルクを加えることで

コメと合わせても十分に美味しさが活きるカレーにできるということです。

 

 

インドに詳しいひとの本には、「カレーにスープの考えなどない」といったことが書かれていたりして

私も「たしかにその通りかもしれない」と思うのですが、

ここではあくまでも日本的な本格インドカレーを考えていくなかで生まれた

手軽な方法と思って受け止めてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(チキンカレーに豆乳を加えています)

 

これは、隠し味に豆乳やココナッツミルクを加えたという表現とは

少しニュアンスが違うと認識しています。

 

あくまでも(簡単に)チキンカレーの美味しさを感じやすくするために

足りない要素を補うことでしたというように考えています。

 

 

 

次回以降スープとボディという観点から

再現性の高いレシピの例をいくつか見ていきます。


ラーメン作戦

出店や試作の経験から

お肉が中心にあるカレーが反応がいいということを知っており

コクを出すためにミルク類もよく入れていました。

これは一般的な感覚からも想像がしやすいと思います。

なんとなくこの二種類のものに気をつかえば、

比較的簡単に反応のいいカレーが作れるということはわかっていました。

 

同時に、そういった方法論を使ってカレーを作るのは

視野を狭めることになると思い

考えないようにしていた時期もありました。

 

あるとき一乗寺の豚人というラーメン屋さんに友達といったのですが、とてもおいしくて、

普段替え玉をしたりしないのですが替え玉をしました。

もちろん友達も替え玉をしました。

 

 

ラーメンでは麺だけをおかわりしてしまうようなことも当たり前なのだから

カレーでもコメに合うようにつくるレシピがあってもいいだろうと確信を得て、

ご飯との相性とコクという切り口で過去のレシピを見なおしました。

 

 

レシピを整理する中で、再現性の高いレシピは

スープの要素とボディの要素が一つずつ以上入っていることに気が付きました。

 

もちろんラーメンではミルクなどは入っていませんが、

スープのとろみやその元になる食材がコクを生み出すだけでなく

他のコクや風味の土台を作っていると感じ

カレーに置き換えると

ミルク類になるのではないかと考えました。

これがボディという少しあいまいな表現を使う理由です。

 

 

次回は二つ以上の要素を持つレシピについてです。

 


ダブル

今回はスープとボディの観点から整理したレシピの中に

スープあるいはボディの要素を二つ以上持つがあったので

そのレシピについて考えていきたいと思います。

 

スープあるいはボディの要素を二つ以上持つレシピは例えば

・豆乳エビカレー(チキンスープベース)

・ココナッツミルクとかぼちゃのチキンカレー

がありました

 

・豆乳エビカレー(チキンスープベース)

スープ:チキン、エビ

ボディ:豆乳

 

これはエビが主役のカレーを作ったときに、エビ一辺倒になると好みが分かれそうなので

味を安定させるために別のカレー用にチキンを煮込んでいたところからスープを加えてできたものです。

 

この例は、合わせ出汁やラーメンでもよくある手法と同じで理解しやすいのでないかと思います。

風味を中心にコクが広がります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豆乳エビカレー

 

 

・ココナッツミルクとかぼちゃのチキンカレー

スープ:チキン

ボディ:ココナッツミルク、かぼちゃ

 

ここでかぼちゃは少量を完全に煮込み、味噌のように溶かしてしまいます。

この例はボディが二種類の場合です。

コクが深くなり、味わいが重層的になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ココナッツミルクとかぼちゃのチキンカレー

(かぼちゃは完全に溶かしてます)


二つ以上

スープとボディを考える際に

気を付けないといけないのが、

多ければいいのかという点です。

 

寄せ鍋のように何種類もスープを重ねて

おいしくなる料理もありますが、

カレーにするとなると

風味がとても重要になります。

 

10種類ほどのスパイスの香りを活かせる風味となると

かなり気を付けて作らねばならないことは想像に難くありません。

 

簡単に再現できるレシピを考えるので

スープもボディも2種類ずつまでのものに限定していきたいと思います。

 

それ以上のものはカレー部で試作して報告させていただきます。

 

上でさらっと言いましたが、

カレーに関して組み合わせの良しあしは結局

“風味”のバランスなんじゃないかなと思います。

 

美味しくしようとしても

他の食材と合わなかったり、

目指す方向とズレるとうまくいきません。

 

例えば、ココナッツミルクなら

それ自体の香りがある程度あるので

和風だしと合わせるとくせのあるカレーになりますし、

順当なチキンカレーからそれたくない場合は使いたくありません。

 

この点に関してはある程度公開レシピがたまった段階で振り返って考えたいと思います。

 

 

ごはんがすすむ

今回はごはんがすすむカレーに必要だと思うことを

共有したいと思います。

 

結論から言いますと、

酸味の要素が必要だと思います。

 

かつて「カレー事情聴取」というイベントに出場するに際し

合宿を行いいくつもカレーを試作したことがありました。

 

その中にかぼちゃのカレーがありました。

甘口なカレーを面白い切り口で作れないかといったものだったのですが、

簡単に表現すると、

かぼちゃのスープにインドカレー的なスパイスを合わせたものです。

同じく紫芋のカレーもありました。

 

カレー好きが集まると辛口なカレーが多くなる中、

口を休めるのにいいと、

反応は悪くなかったのですが、

 

ご飯が進まないんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥がかぼちゃのカレーです。

手前はマッサマンカレーです。

数種類の候補の中から

出店するカレーを考えていたのですが

どれも決め手に欠いていました。

 

丸一日カレーを作り体力的にも精神的にも限界で

やけくそに近かったかもしれないのですが、

ある部員が「これとこれとこれ混ぜたら足りないところ補えるんじゃない」

と言い出し、混ぜたところ風味豊かでご飯に合うカレーが完成しました。

 

混ぜ合わせたのは

かぼちゃのカレーと紫芋のカレーとマッサマンカレー

 

かぼちゃのカレーと紫芋のカレーは単体なら面白いがご飯にあわない。

マッサマンは当時初挑戦でコクがうまく出せていなかったので酸味の目立つものでした。

 

混ぜ合わせると

マッサマンにコクが加わり、

酸味のおかげでご飯もすすむ

バランスのいいカレーになったのです。

 

かぼちゃのカレーも紫芋のカレーも

素材の風味を生かそうとトマトの使用を控えたものでした。

 

ご飯がすすむには

ある程度の酸味(普通には気づかない程度)が

必要不可欠なんだと実感しました。

 

カレー事情聴取に関しては

上の三つをあいがけした「三色カレー」で挑戦しました。

最終的に完売でき、プロのカレー屋さんと一緒に出店でき

とてもいい経験ができました。

 

 

左から

マッサマンカレー

かぼちゃのカレー

紫芋のカレー

の三色カレー

 


食べごたえ

前回までは

カレーの風味を高め、コクを増すために

スープの要素とボディの要素(ミルクやかぼちゃ等)を加えると

簡単にご飯に合うカレーが作れると書きましたが、

 

振り返ってみると、

西洋化した食生活になれた現代人にあうように風味を高め、

カレーを食べごたえのあるものにする

手段だったのかなとも思います。

 

日本的なカレーなら玉ねぎは飴色になるまで炒めたいですが、

実際インドでは一般に飴色まで炒めません。

チャパティやバスマティライスでカレーを食べると

「これはこれ」という感じです。

風土が違いう味も別の基準になるということでしょうか。

 

 


前期の活動を通じて

久しぶりの更新になります。

 

前回までは確実に旨みを感じるカレーの作り方を共有してきましたが

 

今年の活動を通じて、勢いのある新メンバーや成熟した上級生とカレーを作りまくって

いままで使わなかったようなスパイスに挑戦したり、

いろんな食材でカレーを作ってみて、

 

カレーが美味しいかどうかは、

香りや味のバランスで決まると再認識しました。

 

コクが少し欠けていても、オリエンタルな香りで補ったり、

香りが弱くても洋風なうまみで箸がすすんだり、

この数ヶ月だけでもいろんなカレーがありました。

 

最終的にカレーが美味しいかどうかは

作って食べてみるまで分からないくらい

絶妙なバランスのものだなと改めて思った

と同時に 

少しでも美味しいカレーの作り方を言語化していくことの大切さも感じました。

 

インド風カレー、カフェ風、洋風、B級グルメ風

様々な系統のレシピ(あるいは美味しさの形)があります。

 

カレーに興味を持った人が

カレーを作ることを手伝えるように

 

これからもカレーの研究とアイデアの共有を頑張っていこうと思います。